武将加藤清正が現代によみがえり、熊本地震で被災した熊本城の復興に力を尽くす――。こんな願いを込めて、清正のイラストをあしらった焼酎「瑞鷹 清正公(ずいよう せいしょうこう)」が発売された。描いたのは「北斗の拳」などで知られる漫画家の原哲夫さん。売上金の一部は熊本城復興支援に寄付する。
発売したのは熊本市の酒造会社「瑞鷹株式会社」。イラストは2016年4月の熊本地震から1年後、同市で開催された「熊本国際漫画祭」で、原さんが熊本復興への願いを込めて清正を描いた。武将の印象が強い清正だが、熊本城を築城したり、治水工事で豊かな熊本平野の礎を築いたりした恩人として、地元ではいまも「清正公(せいしょこ)さん」と慕われている。
熊本地震では、同社も酒造工場や土蔵などが大きな被害に遭った。米焼酎「清正公」は2009年に発売されていたが、築城主である加藤清正をラベルにしたリニューアルで、被災した熊本城復興に役立てたいと企画。再建に向けて支援を受けた企業の紹介で、瑞鷹の幹部らが原さんのスタジオなどに足を運び、使用許可を得たという。
原さんは「現代の熊本に、若い頃の加藤清正が現れたらと想(おも)いを馳(は)せながら描きました。厳しさの中にやさしさがある、加藤清正公の慈愛の表情を感じていただければ嬉(うれ)しい」とコメントを寄せている。1本720ミリリットルで2160円。売上金の一部は熊本城復興支援に寄付する。問い合わせは瑞鷹(096・357・9671)。(白石昌幸)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル